前回「
緊急帝王切開と麻酔」に引き続き、手術後の麻酔のきれのことを。
手術が終わり、寝たままベットごと私は病室へ運ばれた。
私の帝王切開、出産は午前7時すぎだった。
かなり疲れていたし、おなかの傷のこともあるし
ほとんど体を動かすことができずにいた。
赤子を見て、相方と少し話しをした以外はほぼずっと寝ていた。
時間の感覚もわからないくらい、じっと横になっていると
次の日になっていた。
朝から看護師さんたちが検温などに来る。
そのとき、体を起こそうとしてあることに気がついた。
『ん?まだ足動かないぞ?』
体を起こしても、おなかは痛いし、力が入らない。
だからまだ足が動かしにくいのかな?という気もしたが
明らかに足の感覚が鈍い。というかほとんど感じない。
私『あの〜まだ麻酔って切れないんですか?足動かないんですけど』
看護師『そうですか?術後も少しずつ鎮痛剤を投与していましたし
麻酔が効いているんでしょうね。じきに切れますよ。』
軽い口調で返事を受け
ああ、そうなのか。じゃ、もうすぐ感覚が戻るのね。
と、ちょっと安心しながらも
脊椎麻酔で、神経を損傷して麻痺とか出たらどうしよう!という不安を内心抱いていた。
というのも、本当に予期せず緊急帝王切開になった直後だったので
『人生何があるかなんてわからない』と身を持って体験したため
まさかねぇ〜と思いつつ、麻酔で麻痺が出たりするかもということも
ありえない話ではない、人生何があるかわからない!とおびえていたのだ。
何しろ同意書もそういう事項があることを書かれていたのだから。
それからお昼になり、再び看護師さんがやってきた。
看護師『足の感覚どうですか?戻りました?』
私『いえ・・・。まだ戻ってません。感覚ないです。』
看護師『・・・・そうですか。ちょっと念のため麻酔科の先生に確認してもらいましょうね。呼んできますから。』
そういわれて私は、
えっ!先生の登場!やっぱりちょっとおかしいんだ!
本気で麻痺か!?
かなり恐怖心が増す。
必死で足を動かそうとするが動かない。特に左足。
そうして麻酔科の先生が登場。
手術前と同じように冷たいガーゼで皮膚を触り感覚を確認。
だが私は冷たさを何も感じない。
医師『足、動かしにくいですか。
ちょっと膝を立ててもらっていいですか?』
私『無理です。動かせません』
医師『では私が膝を立てるので、私が手を離した後
そのままの姿勢を保持してください』
そうして先生が私の両膝を立てる。
そして、手を離す。
先生の手の支えがなくなると私の膝は無力にガクッと横倒れになった。
医師がつぶやく『保持不能・・・』
このときはマジで怖かった!
ガクッと無力に倒れる自分の膝!
力を入れようと思っても、思い通りに動かない自分の膝。
『大丈夫ですかね〜』
『いや〜これくらいが普通ですよ〜すぐ戻りますよ〜』
そういう感じの会話を期待していたのに
なんか深刻っぽいぞ。私はかなり恐怖でいっぱいだった。
『保持不能』なんて単語で言われるとかなり深刻感が増す。
私『先生、大丈夫ですよね〜』
大丈夫ですよ、と返事してほしくて問いかける。
医師『経過を観察してみないとなんともいえません』
さすが医師。
安易な励ましは言わない。
医師が去った後、看護師さんにも尋ねてみる。
私『大丈夫ですよね〜』
もちろん、『大丈夫ですよ』といってほしくて尋ねてみる。
看護師『ね〜心配ですよね〜』
幾分柔らかい口調だが、大丈夫とは言わない。
病室に一人残され、かなり怖かった。
普通の出産を夢見ていたが
緊急帝王切開、そしてそれをきっかけに麻酔で下半身麻痺!
子育ても大変で、家族にも迷惑になる。
そんなことを考えていた。
そして、もし麻痺だとしても、まだ若いし
一刻も早くリハビリ開始だ!
そう思いながら、必死で足を動かそうとする。
とはいえおなかも痛いしほとんど体を動かせない。
必死で少しでも動かそうとする。
ああ、こんなことなら針をもってきて置けばよかった。
早い段階でのリハビリ、針を打つこと効果的なのに!
そして針灸の師匠を始め、何人もの仲間の鍼灸師の顔が浮かぶ。
誰かに針を打ってもらおうかと。
そんな感じでどきどきな時間をすごし続けた。
この後1時間ほどして、次第に麻酔が切れ始め
足の感覚が戻ってきて、結果的にちゃんと麻酔は切れた。
だけど本当に怖かった。
何があるかわからない!という気持ちになっていただけに
本当に下半身麻痺を想定してしまった。
特に膝がガクッと倒れた瞬間の感覚は忘れられない。
結果的には、帝王切開のとき私は麻酔の効きが少し悪かったらしく
ちょっと多めに投与されたらしい。
それがゆえに麻酔の切れも時間がかかったのかな?ということだ。
ああ、本当に怖かった。
無事で本当によかったです。